2005年04月13日

水の眠り 灰の夢(桐野 夏生)

今日は、桐野夏生氏の「水の眠り 灰の夢」を紹介したいと思います。

昭和38年9月、
地下鉄爆破に遭遇した週刊誌記者・村野は連続爆弾魔・草加次郎事件を取材するうちに、一人の女子高生の殺人事件の容疑者に。

東京オリンピック前夜の高度成長期を駆け抜ける激動の東京を舞台に、村野の執念が追いつめたおぞましい真実とは。

孤独なトップ屋の魂の遍歴を描く傑作ミステリー。

東京オリンピックの時代というのは結構ミステリーで描かれますが、桐野夏生氏は非常にうまくこの高度成長期を描いており、この時代に入り込んでしまいます。
この作品は、読み終わって反芻して初めて本当の面白さが分かるような気がします。連続爆弾魔、女子高生殺人事件、それぞれの伏線がつながっていった中盤以降は一気に読みきってしまいました。この伏線のつながりも面白かったのですが、読み終わってから主人公・村善を中心とした人間関係を整理して、改めて思い返すとさまざまなものが自分の中で納得でき、二度おいしい気がした。

主人公・村善こと村野はいわゆるトップ屋であり、「週刊明星」のライターとして名を馳せた「梶山季之」率いる梶山軍団をモチーフとした遠山軍団の一員として描かれている。この時代は、「週刊新潮」を筆頭に「週刊文春」、「週刊女性」、「週刊現代」、「週刊平凡」、「朝日ジャーナル」など出版社がこぞって週刊誌を創刊した週刊誌の時代だった。それまでの週刊誌は新聞社系のものしかなく、新聞記者のような情報網がなければ週刊誌を創刊などできないというような風潮があった。しかし、フリーライターという傭兵を雇い、新聞記者の度肝を抜いた。こんな時代を生き抜いたトップ屋の事実を追う執念を村善は私に体験させてくれる。

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posted by haem at 05:51| ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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